都市近郊型養鶏場、工場暖房・体育館暖房、定量ポンプは株式会社ハイテム

  2002年9月号


都市近郊型養鶏場の生き残り戦略


愛知県一宮市 一宮市浮野養鶏農業協同組合


 人口約28万の一宮市市街地にある浮野養鶏組合様をレポートします。同組合は昭和38年に組合員50名ほどで設立した養鶏農業協同組合で、設立当時約20万羽で当時全国的にも有数規模の養鶏組合でした。

 最盛期の昭和60年には42万羽ほどの規模になりましたが、その後組合員の老齢化や周辺地域の宅地化、鶏卵販売競争激化等、時代の変化の中で設備更新や公害対策など対応を迫られ、平成9年にハイテム直立ケージ6段・3列・62m/室の2階建て4室/棟を2棟建設した。

 鶏舎換気は新トンネル換気で排気側にホコリ対策をし、更に臭気対策を織り込んだ最新式鶏糞醗酵処理施設を同時期に完成させ、地域住民に対する公害面に配慮した鶏舎及び周辺機器の整備をされました。 設備更新を機に都市近郊型の採卵養鶏場としての生き残り作戦を始められ、うまく軌道にのったそのところの事情を岩田組合長にインタビューしました。

インタビュー:技術営業グループ課長 井上富次


―まず設備更新のポイントは・・・

一番目に都市部の養鶏場として、土地の有効利用と建設コスト面を考慮して2階建て4室の鶏舎とした。二番目に管理面等の効率化と衛生対策(ハエ、ネズミ対策)からウインドレス鶏舎とした。三番目には夏場対策としてクーリングパッド設置よる冷却設備のある鶏舎とした。


―約1年半で2棟8室、約20万羽の鶏舎を建設していかがですか・・・

都市近郊型中規模の養鶏場として、生き残りを賭けて自社ブランド卵の直販を計画したが、そのために鶏舎設備機器の自動化・省力化にまず着手して、結果として初期の目的を達成した。即ち、(1)給餌機や集卵機等各機器のトラブルが少なく、又ファームコンピューターの活用で鶏舎管理要員が3名と大幅に省力化できた事、(2)夏場クーリングパッドの使用で卵重や卵質の低下が少なく年間を通じて鶏卵生産が安定した事、(3)トンネル縦断換気のメリットとして、鶏病対応できる換気システムであることとアウト後の掃除がし易く、効率的に仕事が出来る事である。


―具体的な生き残り作戦とは・・・

先ほど述べた通り自社ブランド卵「尾張の卵」の直販で、目標としては生産量の1/3を直販とする。1/3としたのは、各室3列でその内1列分ブランド卵生産とする事で、自動的に8ロットのブランド卵生産が可能となる。次に当組合では4〜5年程前から農場敷地内の一角にうきうき村の名前で販売店を作り、又自動販売機も農場周りに数台設置してー尾張の卵―を中心に近郊農家の野菜等を販売してきた。その経験の中で直営店舗展開は費用・運営面で困難であると考え、農場から車で30分以内の地域で自動販売機を設置することとした。


―自社ブランド卵の直販は順調に推移したのでしょうか・・・

全く試行錯誤の連続であった。まず当初は市場に於いて信頼出来る鶏卵を販売すること、即ち安全で安心して購入していただける鶏卵を供給することで他の製品との差別化を図ることで取り進めてきたが、これは鶏卵生産の基本であり、差別化にはならないと気付き、海藻等ミネラルや旨味成分を含んだ飼料を加えて、安心安全の上おいしくて健康増進に繋がる卵作りに取組んだ。現在はお客様に満足を売ることをモットーとしている。

お陰様でこの間、地元のTVや雑誌等マスコミにうきうき村や「尾張の卵」を取り上げていただき、多少の知名度があったことも販売展開する上で有利な条件となった。自動販売機に関しても設置の場所や向き、釣銭被害対策や屋外型とした場合の風雨対策など色々苦労し勉強してきた。一例を挙げると設置場所は主に喫茶店やお菓子屋さん、ユニークな所ではスーパー銭湯の駐車場がある。これは一宮市の特徴として車社会の中で各々駐車スペースが広いこと喫茶店やお菓子店は通常玉子を使用するユーザーでもあることと、管理できる方が常時いる点です。


―現在の販売状況と今後の展開ついてお聞かせください・・・

自動販売機は農場周辺に20台設置した他、東海3県にドラッグストアーのチェーン店舗展開をしているスギヤマ薬局の38店舗に販売コーナーを設置しており、今後増える見込み。「尾張の卵」は1kgネット入やサイズ・卵殻色別に15個入で販売価格は300円としている。名古屋の店舗では1日の売上が6万円という驚異的な数字を出した店舗もある。自動販売機もスギヤマ薬局も各店から注文があって配達するのではなく、毎日または定期的に在庫調整をしながら配達して、各店舗で補充管理・売上金回収をしていただく。自動販売機や販売コーナー設置をするための賃貸料はなく、取扱手数料を支払う方法で各店舗が管理運営している。当初5ヶ年計画でブランド卵の直販比率を1/3とする目標を立てたが、3年間で目標を達成することができた。今後人員体制や配送能力等よく検討して増産体制をとるか現状維持で内容を充実させるか皆で話合いの上決めて行きたい。


―本日はありがとうございました・・・



鶏舎外観



鶏舎内部



防塵対策付ダストチャンバー



うきうき村直売店



喫茶店駐車場に設置された自販機



スーパー銭湯に設置された自販機



岩田組合長




レイヤー設備海外視察ツアーのご案内

− 欧州最大畜産関係展示会ユーロティア見学を兼ね −


拝啓 初秋の候ご隆昌のこととお慶び申し上げます。大小を問わず質と競争力を求められている昨今の経済情勢の中、揺ぎない経営を築くため設備整備の重要性は一層高まりつヽあると考えます。

毎年秋に開催される欧州最大の畜産関係展示会ユーロティア見学を兼ね弊社ユーザー様及び近々ユーザー様になられる皆様を中心に実費精算方式の下記視察ツアーを企画致しました。

参加ご意向につきアンケート用紙にて今月20日 (金) 迄にファックス返答いただければ幸いです。
→アンケート用紙


よろしくお願い申し上げます。
敬具

1.スケジュール

日 付

地 名

視察先、視察のポイント

1112()

日本発

ハノーバー

10:40 成田LH711   10:10 関空LH741

↓           ↓

14:35 フランクフルト      14:50  フランクフルト

17:20  LH122      成田出発組と合流

18:10 ハノーバー

泊:カステンス・ルイゼンホフ (市の中心に位置する名門ホテル)

13()

ハノーバー

ユーロティア‘02

養鶏・養豚関係を中心に約1,200社出展

                                     泊:同上

3

14()

フランクフルト

ハイデルベルグ

11:15 ハノーバー LH61

↓         

12:15 フランクフルト

午後 エンリッチケージ(ネスト、止り木付ケージ)を参考のため見学

夕方 古城街道の街ハイデルベルグに到着

泊:デア・オイロペイッシェ・ホフ(代表的なクラシックホテル)

15()

イトリンゲン

午前 サルメット社イトリンゲン主力工場

システム型平飼鶏舎見学

1530 フランクフルト LH 4078

1640 パリ

TGV新幹線でフランス養鶏の約7割が集心する  ブルターニュ地方ランバルへ

泊:グランドホテル・バル・アンドレ (大西洋を眺むカントリーホテル)

16()

ランバル

終日 次世代糞乾システムセコノブ見学

農場2ヵ所及びミーティング

泊:同上

17()

パリ

TGV新幹線にてパリへ移動

パリ観光及び買物

泊:パリ / ノヴォテル・レ・アル (三星ホテル)

18()

パリ

日本着 19日(火)

10:50 パリLH4117  

↓        

12:20 フランクフルト     

13:40 LH710  13:15 LH740

↓        ↓

08:55 (成田)     08:40 (関空)

2.費用(実費精算方式のため予算額)

コアスケジュール

航空運賃(ルフトハンザ航空1ケ月前

航空券購入条件

156,000

(空港税別途)

宿泊費()

2人部屋、シングルの場合は3万円前後追加費用)

80,000

食事代

40,000

バス代、TGVその他諸経費

50,000

予備費

14,000

340,000

 () 若干のゆとりを感じていただけるホテルを選んだため割高になっています。

3摘要 

1)宿泊ホテルの電話、ファックス番号等については参加者宛確定次第ご連絡します。

2)実費方式の関係もあり、参加メンバーの皆様方に係(会計係等)をお願いする場合がありますのでご了承の程お願い申し上げます。 

3)弊社社員の経費は全て弊社負担と致します。 

4)ツアースケジュールに個人スケジュール組合せを検討され、フライトスケジュール、現地ガイドの情報が必要な場合は、このツアーの航空券を手配するJST(0522640300)村瀬、赤堀迄、又は弊社宛お問合せ下さい。 

5)定員になった場合は締切らせていただきます。

4.参加アンケート

1) 参加すると記入された場合は参加申込書をファックス(又は郵送)致します。

2) 参加を検討すると記入された場合は別途ご意向確認書をファックス(又は郵送)致しますので9月20日必着(ハノーバー宿泊ホテル確認予約のため)にてファックスでご連絡下さい。

来年122日(水)〜24()米国アトランタで開催されるインターナショナルポートリーショーの見学を兼ねた米国へのツアーは米国・イラク情勢もあり企画致しません。

訪問先の詳細等、ご質問等につきましてはお気軽にご連絡下さい。

    お問合せ先:技術営業グループ

           業務第一チーム 坪内、近藤

              TEL 0583−83−1135

              FAX 0583−83−7319






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