養鶏用設備更新、暖房・体育館暖房、定量ポンプは株式会社ハイテム

  2002年11月号


鶏舎更新で実感していること

今月は栃木県今市市で養鶏をされている岡養鶏様を取材、紹介させていただきます。


取材:技術営業グループ東日本エリアマネジャー
小 泉 均


岡養鶏場は栃木県今市市に位置しており、農場周辺は、水田、花卉温室などが広がる農村地域である。


成鶏設備
安定した収益を目指し、更に鶏糞処理を見据えた鶏舎更新を1989年に開始、それ迄の開放ヒナ2段低床鶏舎をAライン高床ウィンドレス鶏舎、直立高床ウィンドレス鶏舎に順次建て替えをして来た。

高床Aラインウィンドレス鶏舎にすることにより、人件費を含め効率化が図られ、又、鶏糞を土間に堆積させ、アウト時にまとめて鶏糞処理施設に投入をすることで鶏糞処理の省力化が出来た。このタイプは鶏糞堆積中に鶏糞の乾燥が進み鶏糞量が少なくなり処理量が減るメリットがあるが、鶏糞堆積をする一時期にハエの大量発生が起こる場合の問題があった。

その問題を解決するために鶏糞をベルトにより舎外に排出する直立ベルトケージの検討を始めたが、従来の直立ケージでの問題は糞乾用のブロワ−の電気代と鶏糞処理に適した鶏糞が安定して得られないことであった(水分が多目、毎年少しづつ乾燥が悪くなる等)。
直立ケージのなかでもハイテムのブレードケージシステムは、従来の糞乾ブロワ−タイプに比較すると鶏糞の乾燥に関わる電気は半分となり、鶏糞水分も糞乾ダクトよりも5〜10%少なくなることを評価しブレードケージシステムを選定した。
同時にこれからの農場運営の中で重要となることは、ランニングコストを徹底的に抑える必要があるとの考えより換気方式についても換気効率が優れ冬場の舎内環境も考慮にいれた東洋システム開発の新トンネル換気方式を採用し高床式ウィンドレス鶏舎より約30%換気扇を少なくし、電気代の低減に役立たせている。
但し、農場のある今市市は日光に近く関東地方でも涼しい場所になるため夏場対策のクーリングパッドは入れていない。
ブレードケージシステムより出た鶏糞は、発酵槽に直接投入が可能なことはもちろんのこと、従来の高床式ウィンドレス鶏舎の水分調整材として活用している。


育成設備
4棟の中大雛設備を持つ。
開放直立6段HSケージタイプで、ケージサイズは成鶏直立ケージと同じサイズとし間口50cmに5羽を入れ十分な給餌スペースと生活スペースを作っている。
このケージシステムはハイテムで設計したケージ、ケージフレーム、除糞機に給餌機として実績のある独サルメット社のホッパーフィーダーを組み合わせたハイブリッドタイプとなっている。


鶏糞処理施設
攪拌式発酵槽が6槽、仕上げ用乾燥槽が2槽ある。鶏糞処理について良い製品を作れば鶏糞は捌けるとの考えで処理施設は鶏羽数に比較すると余裕があり発酵に必要な時間を充分とり、品質については良質の発酵鶏糞が出来ている。
最近も価格で取引がとだえていた肥料店が岡養鶏場の鶏糞を再度引き取らせて欲しいと申し入れてきたとのエピソードがあるほどである。


実感、痛感していること、
上記更新により生産効率は着実に向上、収益も安定向上し、1991〜1993年及び1998年の低卵価時も黒字を維持することができた。
今後は償却が進んだ省力鶏舎が働き続けるので一層の収益増を見込んでいる。
10数年前から設備更新に取組んで、当初の設備費も大切であるが、信頼できる設備を選び設備後のランニングコストの多寡がもっとも大切であることを実感し又痛感している。



ブレード成鶏舎



同非常開放扉



育 成 舎



育成舎内部



育成ケージ



発酵鶏糞処理



発酵鶏糞処理



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