鶏舎の小規模経営を成功に。工場暖房・体育館暖房、定量ポンプは株式会社ハイテム

  2004年6月号


小規模羽数で効率の良い経営を目指す

加藤ファーム(東京都)



加藤 博康さん

東京都町田市 東京都心から南西30kmに位置し、都心のベットタウンとして、都市化した商業住宅都市ですが、一方で緑豊かな都市環境と大学等、数多くの文教施設を有する人口40万人の街です。その町田市で都市近郊養鶏を営む加藤ファーム様をご紹介します。

報告者:技術営業グループ 東日本担当 取締役部長 小泉 均


<< 鶏舎概要 >>

ハイテムSシリーズ5053
鶏舎タイプ:新トンネル換気方式ウィンドレス
ケージ列:直立3段1列/室
棟数:1棟4室
羽数:1,296羽/室×4室/棟 1棟5,189羽
完工:2000年11月


<< 加藤さんのお話 >>

○ 経緯
平成12年町田市市街地から鶏舎設備更新を機会に移転をしてきました。
移転するにあたり周辺に幼稚園、住宅等があるため、公害問題を考えウィンドレス鶏舎としました。ただ、今までは開放の2段ケージの従来型の養鶏で飼養羽数も1,700羽程度でしたのでどのような鶏舎がいいのか、いろいろ悩みました。
 餌は自家配合にしています。付加価値卵での販売が出来ており、都内有名デパート等に出荷をしていました。卵の取引を増やして欲しいとの話もあり5000羽程度の卵なら処理できる見通しも立ち鶏舎更新になりました。

○ 卵の販売について
卵についてはパック卵50%、箱卵40%、加工用10%
出荷先は町田市内スーパー、都内にある高級スーパーなどです。
加工用はプリン自家製用です。あるスーパーより助言があり取り組んでみました。利益率もよく、評判も良いので販路が増える見通しもあり、加工用の比率を高めていくことになれば経営にかなりプラスになると思っています。

○ 鶏糞処理
自分の堆肥舎はありますが、農場周辺には積極的に都市近郊農業に携わっている農家が多く、ほとんどの農家が自前の堆肥舎を持っています。そのため、生糞で農家の堆肥舎に持ち込んでいます。鶏糞の状態もよく、評判もいいです。

○ 鶏舎について
鶏舎が出来、従来の開放型と比較し特に感ずるのは、鶏の生活環境が著しく改善されたことです。たとえば、従来の開放型の鶏舎であれば夏は暑さのダメージを大きく受け、冬は夜縮こまって寝ています。新しい鶏舎では鶏もゆったりとしているのが手にとるように判かります。
 成績も従来であれば季節での変動がありましたが、ウィンドレスになってからは安定した成績が得られています。鶏舎内の鶏の状況を見ているとウィンドレスで自信のもてる良い卵が出来ると思います。

 ○ 鶏舎作業
集卵、パック詰作業が2人で4時間/日、鶏舎内清掃は週3日行い4,5時間/週、鶏糞の持ち出しは軽トラック4台で5時間/週、餌は自家配のため週2回製造4時間/週かかっています。
プリン製造については2人/日かかります。子供2人が主体となり作業しています。
農場はパートさんを3人雇い交代で休みがとれるようなローテーションを組んでいます。

○ 鶏舎を更新して
今までの鶏舎では鶏を飼うことが生活のメインでしたが、この鶏舎になってからは作業時間が驚くほど短くなりました。時間的に余裕が出来ることにより、卵を使った他の仕事(プリン製造)への取り組みも始められました。 満足をしています。






鶏舎断面図


鶏舎正面


鶏舎後面ダストチャンバー


プリン工場


堆肥舎


7月号へ