最新の卵生産が可能な養鶏とは。工場暖房・体育館暖房、定量ポンプは株式会社ハイテム

  2004年7月号


自然の恵みを生かした鶏卵生産を目指す

株式会社 市川商会  谷汲ファームランド(岐阜県)



社長の市川正規さん

報告者:技術営業グループ 西日本担当 井上富次


岐阜市街地から北西へ20km程の谷汲村に農場がある(株)市川商会・谷汲ファームランド様をご紹介致します。

農場周辺は地元の観光スポットとして、春は桜、秋は紅葉の名所として親しまれていている谷汲山があり、風光明媚で自然に恵まれた土地柄です。

(株)市川商会は昭和36年飼料、セメントの卸売りを目的として設立され、その後昭和40年に傍系会社として揖斐郡大野町に養鶏場を設立し、当初2万羽から昭和43年には8万羽の飼育規模へ拡張され、当時としては中部地区大手の採卵養鶏場であった。

昭和51年に飼料、セメント等の販売を中断し養鶏事業に専念され、マルト式養鶏法で養鶏経営に取組んでいたが、昭和61年ゴルフ場建設計画で農場を売却し、平成8年に現在の揖斐郡谷汲村に養鶏場用地を取得し、平成11年1期工事の成鶏舎5棟8万羽の農場を完成した。

その後、平成13年に2期工事として育雛・育成舎2棟と成鶏舎1棟を完成し、成鶏飼養羽数
10万羽の養鶏場となって現在に至る。

成鶏舎はモニター部強制排気(上下換気)ウインドレス鶏舎でブレード・直立ケージ6段
2列、中間デッキ付。 育雛・育成舎は新トンネル換気ウインドレス鶏舎でハイテムSシリーズ直立ケージ4段2列の鶏舎である。 1、2期共ユーキ産業褐ウ請、鶏舎内部設備弊社のジョイントで
工事が進められた。

餌料は豊橋飼料と全農から、鶏卵は地元JA系列のGPへ原卵出荷している。主力鶏種はジュリアでゲンコーポレーションから仕入れている。鶏糞は発酵処理施設で完熟発酵鶏糞にしている。

2年程前から近くを通る国道157号沿いに道の駅が出来て、そこの地場産販売所で自社ブランド卵「たまひめ」を販売している。


<<市川会長及び市川社長談>>

* 鶏舎建設に当り、最新式養鶏設備(ブレード直立ベルトケージシステム)を導入し、
    環境にやさしく衛生的な養鶏施設で安心・安全な鶏卵を生産することを目標とした。5年ほど
    経過して今のところほぼ満足する結果となっている。

* 成績面では、当初大雛購入で予算通りの成績が出なかったが、自家育成に切り替えて以降
    成績が向上し、現在ではマニュアル以上の成績を出すようになった。

* 農場管理は成鶏舎6棟、育雛・育成舎2棟を男性社員3名で管理(除糞作業も含む)、
    集卵室はファームパッカー処理を女性パート職員5名で常時4名が作業している。少人数で
    管理可能な設備でコストメリットがあり、機器のアフター/メンテナンスもスムーズで安心である。

* 鶏糞処理は鶏糞を水分調整用切替え層が4層ある生糞置場に一旦受けて、発酵処理施設
    で処理、粒度別に2タイプの完熟鶏糞として袋詰めの上保管する。最近ホームセンターで安い
    発酵鶏糞が大量に販売される中、同養鶏場はJA経由で鶏糞を販売しているが、出荷量が
    減少傾向で対応に苦慮している。

* 鳥インフルエンザの発生で、益々安全面の要求が強まる傾向の中、消費者の期待に答える
    べく、鶏舎の安全対策を今以上に徹底させ、集卵室においては設備面や作業面の改善を
    行い、より一層安全で安心できる鶏卵の生産に努力する。






成鶏舎


育成舎


成鶏舎内部 (1999年 完工時撮影)


生糞置場(右側奥)と発酵処理施設(左側)


粒度ふるい分け、袋詰棟(右側奥)


生糞置場(完工時撮影)


発酵処理施設(完工時撮影)


仕上げ(完工時撮影)


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